とある貴族子女の華麗なる日常。

乙です!

なんも考えずに、なんかノリだけで書いたんで
色々とおかしいことに(汗)

志季と香蘭の「舐めときゃ治る」のくだりは以前から考えていたんですが
なんでか夸紅が入ってきちゃった・・・

ワタシの中のmy設定の夸紅は
オタク貴族子女という設定です。

常においしいイベントを逃さないように
みんなを観察しているような子。
・・・なんでそんな娘になっちゃったんだろ?

それではどーぞ!

☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆

 

「し、志季!本当に大丈夫だからっ!!」
「ダメだよ、ちゃんと手当しないと」

いつものように香蘭を誘って、陛下とお茶をご一緒しようかと(むしろこっちがメインだけど)、私とお姉様は放課後の校内を二人の姿を探して歩いていた。
すると、校舎裏の茂みの方から二人の声が・・・。

「まぁ!こちらにいらしたのね♪」
「お姉様!お待ちになって!!」

声のする茂みの方へ突き進もうとするお姉様を制して、声のする方向へ意識を集中させる。
そして。二人の位置をすばやく確認すると足音を忍ばせ茂みの中の様子を伺う。

「ど、どうしたの、夸紅?いきなり隠密のような動きして」
「お姉様、静かに!これは・・・」

そっと茂みの中を覗くと、そこには香蘭と志季の姿が。

「これくらいのキズ、大したことないから!」
「でも、かすり傷があちこちにたくさん。ほら、頬にも・・・」

そう言って、志季が香蘭の頬の傷に触れようと手を伸ばすと、顔を赤くして焦った香蘭が慌ててその手を遮る。

「こ、こんなの軽いかすり傷だし、舐めとけば治るよっ!」



「っっ!!!」
「ちょ、ちょっと夸紅!どうしたの?!」

香蘭と志季の一連のやり取りを盗み見みしていた夸紅に衝撃が迸る。

「まさか・・。これは、この展開は・・・」

陛下のこの行動。
そして、香蘭のあのセリフ。
まさかとは思うけど。
でも!そんなっ、これって・・・!!!


志季の手を遮ってそう言った香蘭がくるりと向きを変え茂みから出ようとした、その時。
フワリと身体が一瞬宙に浮いたかと思うと、頬に温かく柔らかいものが触れた。

「え・・・」

一体何が起こったの?
今のって・・・。

志季に抱き上げられた香蘭は状況が飲み込めず、大きな瞳をさらに大きく見開いて固まっている。
そんな様子の彼女もかわいいなぁと微笑むと、志季は香蘭の手を取り彼女に見えるように、その手に、指にと口づけを落としていく。

「えっ、やっ!///
ちょ、ちょっと待って志季!!」

林檎のように耳まで真っ赤に染まった香蘭が慌てて手を引こうとするが、その手には志季の指が絡まり逃げることを許さない。

「だって、香蘭言ったじゃないか。
『舐めとけば治る』って」

そう言って、腕にチュっと音を立てて口づけを落とすと、今度は首筋に顔が近づいてくる。

「っっっ!! ま、待って!!そ、そうじゃないっっ!!!」

志季の胸を両手で押しのけ、なんとか距離を取ろうと背を逸らしながら香蘭が反論する。

「そ、それは!自分で舐めるってことであって!!
志季がしなくてもいいのっっっ!!!」

「でも、頬や首は自分ではムリだよ。
・・・向こうでゆっくり手当しよう?」

「??!!」

そう言うと香蘭を抱き上げたまま、待たせてある馬車へと去って行ってしまったのだった。



「ね、ねぇ夸紅!
あれって、あれってやっぱり陛下は香蘭のこと・・・」

まぁ、今までの行動でなんとなく、もしかしてと思ってはいたことだが。
一部始終を見終えた夸白が、この事の成り行きを確認しようと夸紅に振り向くと。
そこにはなにやらブツブツと呟く夸紅が。

「なんてことなの!
まさか、こんな所で『おっとビックリ★急展開イベント』が発生するなんてっっ!!」

「こ、夸紅?」

「この場合のフラグは、やっぱり香蘭の
『舐めとけば治る』っていうあのセリフよね?」

「ねぇ、夸紅・・・?」

「でもそのフラグが発生するには、手前になにかしらイベントが発生したのよね?!」

「ふ、フラグ? い、イベント?? 夸紅、なんのことなの?!」

「私としたことがしくじったわっ!!
どこかでこのイベントの発生フラグを見落としてたのね!!!」

「ねぇ!さっきから何を言っているの、夸紅っっ!!!」



彼女の名は夸紅。
趣味は、自分を取り囲む人々達で繰り広げられる『リアル乙女ゲーム』を楽しみ、文章にしたためること。
妄想全開のオタク稼業に励めるように、今日も全キャラのシナリオ回収にフラグを求めて西へ東へと奔走するのであった。



【終】

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれないコメントは無視されますのでご注意ください。(スパム対策)