茉莉花を纏う君。

ただ、イチャコラしている志季と香蘭が見たかった!
そんな話です。

書き終えてみると
単なる志季のセクハラ話な感じがするのは気のせいだろうか・・・。

茉莉花はジャスミンの一種のようです。
書いている途中から付け加えた設定の割には
なかなか香蘭にぴったりな花で。

冒頭で書いた詞も
中国民謡で実際にある歌のようです。
ますます香蘭にピッタリ!

しかし。
どうにかならんものか、この文章力の無さ。
どっかに文才落ちてないかなぁ・・・


それではどうぞ〜

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きれいな茉莉花、きれいな茉莉花
庭中に咲いたどの花も その香りにはかなわない
一つとって飾りたいけれど 怒られてしまうかしら

きれいな茉莉花、きれいな茉莉花
雪よりも白く咲いた茉莉花
一つとって飾りたいけれど 笑われてしまうかしら

きれいな茉莉花、きれいな茉莉花
庭中に咲いたどの花も その美しさにはかなわない
一つとって飾りたいけれど 来年芽が出なくなってしまったらどうしましょう

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澄み渡った青い空の下。木々も深緑が深まり日差しが強くが感じられるようになってきたある日のこと。

「初夏の匂いがするね」

いつものように香蘭と一緒にお茶を楽しんでいると嬉しそうに香蘭がそういった。

「初夏の匂い?」
「うん、なんていったらいいのかな?
ちょっと梅雨の湿っぽさも残ってるんだけど、
爽やか~って感じの風に乗ってくる土とか森の匂いみたいな?」
「そうなんだ。・・・うーん、ごめん。
私はあまり感じたことがないから、よくわからないなぁ・・・」

感受性が豊かな彼女だから、季節の移ろいを敏感に感じ取ることができるのだろう。

「あ、あんまり気にすることないよ!こういうのは人それぞれだと思うし。
きっと志季には、志季の季節の感じ方とかあると思うからっ!」

よほど残念な顔を私がしていたのか、彼女は慌ててそういうと茶杯に残ったお茶を飲み干した。

「私なりの感じ方?」
「そう!志季のだけの季節の感じ方。」
「・・・」

そう言われて、意識を匂いへと集中させる。
するとほのかに甘く香る花の匂いがする。

「…香蘭。香かなにかつけてる?」
「え?」

初夏の風に乗って香蘭から微かに香る匂いがいつもと違うのに気づく。
いつも草原のような香りがする彼女から、清々しい花の香りが微かに香る。

「あ、ひょっとしたら女官さん達に教えてもらった匂袋かな?
山とかに咲いている花で作れるからって教えてもらって作ってみたんだ。
そんなに強い香りじゃないから、枕の下に入れたりするといいっていってたからそうしたんだけど…」

そう言う彼女の髪を一房手に取り顔を近づけると、より一層甘い香りがする。

「し、志季っ?!」

真っ赤になって焦る彼女に気がつかないフリをして、さらに項へと顔を寄せると彼女本来の香りと花の香りが重なり合い、まるで誘うような甘い香りが鼻をくすぐる。

「ちょ、ちょっと!ち、ちち、近すぎ…って、わっっ!!」

すでにパニックになりかけている香蘭を抱き上げ、顔を合わせて彼女に問いかけてみる。

「香蘭。この花って、この季節に咲く花?」
「茉莉花の花?そ、そうだけど…。なんで?」

夏に咲く花の香りを纏った香蘭に季節の移ろいを感じる自分がいる。
その答えにうれしくなり、もう一度その香りを確かめようと彼女の項に顔をうずめると、ビクっと震えた真っ赤な顔の香蘭から抗議の声が上がる。

「い、一体なんなのっ?!」
「うん。この香蘭の香りが私にとっての初夏の匂いだなぁ~と思って」
「へっ?!な、なにそれっ?!意味がわかんない!しかも私の匂いって…」
「私には私だけの季節の感じ方があるって言ったよね。
だから、私は香蘭からこの茉莉花の香りがしたら、初夏の訪れと思うことにするよ」
「ええぇっ!!」
「香蘭のように初夏の匂いはわからないけど、君の香りならすぐわかるよ」

そう香蘭に笑顔で言うと、耳まで真っ赤になった顔で金魚のようにパクパクと口をさせてる。

「そ、それじゃ毎年私が茉莉花の香付けて志季のそばウロウロしてないとダメじゃんっ!!」
「うん、そうだね。だからこれからもずっと一緒にいようね」

そう言って、初夏の匂いが甘く香るその首筋に軽く口づけを落とす。

「っ!? だからっ!!
友達にそんなことしたり、言ったらダメっていってるでしょーっ!!!」


きれいな茉莉花
きれいな茉莉花
庭中に咲いたどの花も

その香りにはかなわない。


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【茉莉花(まつりか)】
花言葉;清浄無垢、長すぎた春。